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定期駆虫、条虫症

定期駆虫(ていきくちゅう)って!?

定期駆虫 ◆公園やドッグラン、高速道路のサービスエリアなど、動物たちが大好きな場所・・・。それらはじつは、回虫や鉤虫(こうちゅう)、鞭虫(べんちゅう)などの寄生虫卵に、かなりの頻度で汚染されていることがわかっています。これらの寄生虫は、虫卵や幼虫として、動物たちの口から皮膚から、体内に入るのをじっと狙っています。そして、これらの寄生虫の一部はヒトにも病害を及ぼすことが知られています。

◆定期駆虫とは、アメリカの疾病予防センター(CDC)や寄生虫学協会(AAVP)が提唱した新しい概念のこと。つまり、「動物たちは、いつでも寄生虫に感染する機会があるのだから、定期的に駆虫薬を使って駆除してしまおう。」という考え方なのです。
ワンちゃん、ネコさんともに、3カ月に1回、駆虫薬を投与(または皮膚にスポット)するだけで、簡単に寄生虫退治ができます。

◆とくにこんなコ(↓)は要注意です。
(1)お行儀悪いけど、お散歩中にほかのワンちゃんの“おしり”をクンクンしてしまいます。
(2)道端に落ちているものに興味シンシン、何でも口にしてしまいます。
(3)ドッグランや公園、キャンプなどが大好きです。
(4)飼い主さんとのスキンシップは、比較的濃厚なほうだと思います。
(5)高速道路のサービスエリアで、他県のワンちゃんとも挨拶してしまいます。
(6)気ままに散歩するのが趣味のネコさんです。

◆いかがでしょうか?思い当たることはありませんか?定期駆虫についての詳しいパンフレットをご用意しています。スタッフまでお声がけください。
■POINT
  • 定期駆虫は、動物たちと飼い主さまの双方の健康を守ります。
  • 検便(直接法)での虫卵検出率は、50%から最大で75%くらい。意外と低いのです。「検便をしたから大丈夫!」という考え方は、もはや正しくありません。

条虫症

条虫症 ワンちゃんやネコさんのおしりやウンチの表面に、白くて細長い、ヒルみたいな虫が付着していたり、周囲に茶色いゴマのようなものが落ちていたことはありませんか?これは、「瓜実(うりざね)条虫」(いわゆるサナダムシ)といって、ノミが媒介する人獣共通の寄生虫です。私たち動物病院スタッフが、いちばん目にする寄生虫といっても過言ではありません。瓜実条虫は本来、最大で体長50cmくらいのとても長い虫ですが、からだ全体にクビレがあり、多くはこのクビレからちぎれて、体外に排泄されます。これが“ヒルみたいな”片節(へんせつ)で、よく見ると伸縮しながら動いているのがわかります。そして乾燥して収縮すると“ゴマのような”粒状物となります。
以下、瓜実条虫の感染経路についてカンタンにご説明します。
(1) 体外に排泄された片節の内部には、「卵嚢(らんのう)」という形で瓜実条虫の虫卵がギッシリと詰まっており、片節の一部が壊れることで、これらの虫卵が外界に飛び出します。
(2) ばらまかれた虫卵をノミの幼虫が摂食(せっしょく)し、虫卵内部に潜む「六鈎幼虫(ろっこうようちゅう)」が、ノミの成長とともにノミ体内で徐々に発育して「擬嚢尾虫(ぎのうびちゅう)」となり、ワンちゃんやネコさんに対して感染力をもつようになります。
(3) 擬嚢尾虫を保有するノミの成虫がグルーミング(毛づくろい)によってワンちゃんやネコさんに飲み込まれると、擬嚢尾虫は動物の胃から小腸に至って腸の粘膜に寄生するようになり、ゆっくりと成長します。
(4) 腸粘膜で成長した瓜実条虫は、再び片節として動物の体外に排泄され、(1)~をくり返します。
※ (2)の段階のノミをヒトが誤って飲み込んでしまうと、ヒトに感染してしまいます。また、ノミをつぶしてしまうことでノミ体内の擬嚢尾虫が周囲に飛び散り、これを経口的に摂取することでヒトに感染してしまう可能性があります。このときの感染リスクは、指なめや爪かみをする乳幼児が圧倒的に多いといわれています。したがって、ノミをつぶして殺すことは好ましいことではないのです。
瓜実条虫もまた、定期駆虫によって適切に駆除できます。