

つい先頃、マンションの4階から落下してしまった、というネコさんが来院されました。幸い一命を取り留めたものの、呼吸が荒く食欲もない様子。どうやら上半身を強打したようです。このネコさん、レントゲン検査で「気胸」を起こしていることがわかりました。
気胸とは、真空状態であるべき胸腔(きょうくう)内に空気が入り込んで、肺が十分に膨らまなくなる病気です。おそらく肺挫傷を起こし、そこから空気が漏れ出ていると推測されました。
そこで一晩安静にして翌日、胸に小さな針を優しく刺し入れ、抜気を行いました。その後は呼吸状態も改善し、食欲も元通りに…。
写真は、抜気の様子とビフォーアフターのレントゲン写真です。左は空気が入り込んだ胸の写真。気体のせいで、心臓が胸骨から浮き上がって見えます。右は抜気後の写真で、心臓が胸骨にくっつきました。
皆さまも動物たちのベランダからの落下事故には十分にお気をつけください。