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フィラリア予防

ベルノス動物病院のフィラリア予防

フィラリア予防 ■ご存知のようにフィラリアは、蚊が媒介する長さ15~最大25cm程度の寄生虫で、ワンちゃんではおもに心臓や血管系に、ネコさんでは心臓のほか、肺や気管支、まれに脳などに寄生します。蚊が媒介しますので、その予防期間はつねに蚊の活動時期をうかがう必要があります。
■昨今、地球温暖化の影響か、年々気温が上昇しているように感じます。当院では、気温が上昇し、蚊が活動をし始める4月下旬から11月下旬までのフィラリア予防をオススメしております。
この予防時期の設定は、HDU(Heartworm Development heat Unit)という科学的根拠に基づいたものと、当院独自のリサーチの両方によって設定しています。
■フィラリアは一度寄生すると、腸管内の寄生虫と違って、たとえ駆虫しても外部に排泄されることがないため、その病害はきわめて深刻なものとなります。ネコさんではとくに、本来の宿主ではないために特殊な経過をたどり、まれに突然死の原因となる、とてもこわい病気なのです。
■予防開始前に、まず血液検査を行い、フィラリアに感染していないか(去年の予防がうまくいっているか)を調べます。感染していなければ、予防薬を月に1回投薬しますが、その剤型には ①錠剤タイプ、②ビーフジャーキータイプ、③皮膚に直接しみ込ませるスポット式 など、さまざまな種類がありますので、当院スタッフにご相談ください。
■ところで、蚊がいなくなればフィラリア予防をやめてしまっても良いものなのでしょうか? じつはほとんどのフィラリア予防薬は、「遡(さかのぼ)り効果」といって、“投薬した日から遡って30日以内”に動物の体内に入り込んだ虫体を殺滅しているのです。
つまり、8月30日に投薬した場合を考えてみますと、8月1日~30日までの30日間に、蚊の吸血によって動物の体内に入り込んだフィラリアは、この投薬で心臓に向かう間もなく完全に死滅してしまいます。
したがって、蚊がいなくなって初冬に行う投薬は、晩秋に入り込んだフィラリアを死滅させる、とても大切な投薬ということになります。
■もっとわかりやすく説明しますと、わが方の陣地に向かって進軍中の“悪の軍団”に、月に1回、大砲を撃って全滅させている…とお考えください。補給部隊の蚊がいなくなったからといって大砲を撃つことをやめてしまうと、すでに進軍を始めている軍団は、いずれわが陣地に到達してしまいます。「最後の1発」が大事なのです。

Column ~ HDUってなんのこと?~

「HDU」とは、Heartworm Development heat Unitの略で、フィラリアの仔虫(ミクロフィラリア)が蚊の体内で感染型に発育するのに必要な積算温度のことです。難しいので、わかりやすくご説明します。
1日のHDUは、その日の平均気温から臨界温度14℃を差し引いた値とお考えください。
(1日のHDU)=(平均気温)-(14℃)
つまり、平均気温が高ければ、その日のHDUは大きい値を示します。これを毎日積算していき、130を超えた時点が「感染開始日」となります。(1日のHDUがマイナスの場合は「0」を足します。)
逆に「感染終了日」は、連続した30日間のHDUの積算値が130を超えなくなる日の前日となります。(ムズカシイなあ・・・)